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ゾンビ映画の名作一覧!おすすめのゾンビ作品を最新作まで徹底解説【初心者OK / 随時更新】

コメディ系ゾンビ映画ゾンビーノの登場人物

コメディ系ゾンビ映画ゾンビーノの登場人物

ゾンビ映画の名作をぜんぶ知ってますか? 最高のゾンビ映画は多いんですよ。多すぎて「沢山あるけどおすすめはどれなの?」という悩みは尽きません。

でも本当に面白い「おすすめゾンビ映画」、「名作ゾンビ映画」を知りたいですよね。

なので、名作ゾンビ映画のすべてをご紹介しましょう。

調べあげたゾンビ映画の数は200個以上。記事内でおすすめしている作品は、もちろん僕がすべて視聴したものです。つまらないゾンビ映画は紹介していません。ぜひ1つずつ視聴してみてください。

ゾンビ映画の名作一覧

名作ゾンビ映画のリスト

「名作ゾンビ映画はどれ?」と聞かれたら「このゾンビ映画です」と答えます。

①ナイト・オブ・ザ・リビングデッド / ②ゾンビ / ③死霊のはらわた / ④死霊のえじき /⑤バタリアン / ⑥バイオハザード / ⑦28日後… / ⑧ドーン・オブ・ザ・デッド / ⑨ショーン・オブ・ザ・デッド / ⑩ランド・オブ・ザ・デッド / ⑪ゾンビーノ / ⑫REC/レック / ⑬28週後… / ⑭アイ・アム・レジェンド / ⑮ダイアリー・オブ・ザ・デッド / ⑯デイ・オブ・ザ・デッド / ⑰ゾンビランド / ⑱ウォーキング・デッド(TVドラマ) / ⑲ウォーム・ボディーズ / ⑳ワールド・ウォーZ / ㉑ゾンビワールドへようこそ

これはゾンビ映画の名作一覧で、特に人気や評価の高いゾンビ作品だけを集めています。

重要なポイントは「ゾンビ映画としての名作かどうか」と「あなたが面白いと思うか」は別の問題だということ。あなたの「ゾンビ映画歴」、つまり「オタク度」によっておすすめできるゾンビ映画は異なります。事実、古い名作ゾンビ映画で「正直つまらないな」と感じることも多いのです。

この解決策は1つ。

あなたのオタク度に合わせたゾンビ映画の名作を見ていきましょう。

順番におすすめしていくので、あなたに合ったゾンビ映画を探してください。

名作ゾンビ映画を「あなたのオタク度」に合わせて順番におすすめ

ゾンビ映画初心者におすすめの名作7作品

ドーン・オブ・ザ・デッドの登場人物

ゾンビ映画初心者のあなたは「エンタメ色の強いゾンビ映画」から観るのがおすすめ。

難しい「社会風刺」や「パロディ」は無視。何も考えず単純に楽しめる作品だからです。

純粋に怖いゾンビ映画、単純に笑えるゾンビ映画、壮大なハリウッド超大作ゾンビ映画など、どれも初心者におすすめできる作品ばかり。ぜひ視聴してみてください。

『ドーン・オブ・ザ・デッド』は、とにかく一番最初に絶対チェックすべきゾンビ映画!ほぼ名作中の名作のゾンビ映画ですね。2018年4月5日まで見放題。ぜひチェックしてみてください!

『28日後…』も良い映画ですね。U-NEXTという動画サイトで「2018年2月2日」まで限定配信。続編の『28週後…』も2018年3月2日まで配信なので、一気に視聴するのがおすすめ!

『ワールド・ウォーZ』はハリウッドが誇る最高規模のゾンビ映画で、2017年9月7日まで「U-NEXT」で限定配信されていますね。

『ウォーム・ボディーズ』は、主人公がゾンビの映画!恋愛を取り入れた最先端のゾンビ映画ですね。ゾンビが主人公なので全然怖さはないけど、コミカルで最高におもしろいです!!dTVで視聴可能です!

『ゾンビランド』もコミカルなゾンビ作品で、楽に視聴できる名作ゾンビ映画。2018年3月3日まで「U-NEXT」で見放題ですね。

『アイ・アム・レジェンド』もdTVで配信されてますが、300円の課金が必要な「レンタル作品」でなのでそこは要注意です。

『バイオハザード』も、今は「U-NEXT」で限定配信されていました。全作品が配信中ですが、1作目から一気に観れるのは「2017年12月20日」まで。詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:バイオハザード映画はこの順番で見よ!時系列・あらすじを徹底解説【映画6作品・アニメ4作品・ゲーム11作品】

ゾンビ映画中級者におすすめの名作8作品

ジョージ・A・ロメロ監督の名作ゾンビ映画ランド・オブ・ザ・デッドの画像

ゾンビ映画中級者のあなたは「より深く楽しめるゾンビ映画」を観るのがオススメです。

パロディ作品や社会風刺を扱うゾンビ作品にも手を広げましょう。「ゾンビ映画の歴史」に触れるのはまだ先でOKです。

この一覧もとにかく楽しめる最高に面白いゾンビ映画ばかり。先ほどのゾンビ映画7作品を攻略してもなお「もっとゾンビが見たい」という人はどんどん視聴してみてください。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』は「Hulu」という動画サイトで配信されています。配信が終わってないか、公式サイトで検索してみてください。

『ゾンビワールドへようこそ』はまだ有名にはなってないですが、見て絶対に損はしないクオリティのゾンビ映画です。「U-NEXT」では、2018年1月24日までの限定配信ですね。コミカルで楽しいので、ぜひ視聴してみてください。

さらに『デイ・オブ・ザ・デッド』はロメロ監督の『死霊のえじき』のリメイク作品。サバイバル系のゾンビ映画です!

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』はロメロ監督の新しいゾンビ映画です。

『ランド・オブ・ザ・デッド』は「Hulu」で配信中。このゾンビ映画は大作映画でめちゃくちゃ作り込まれていて、本当に面白いのでおすすめです。

しかし『ゾンビーノ』はどこかで配信しているのを見つけたことはありません。DVDレンタル店を必死に探し回っても見つからない……。でもやっと発見!「TSUTAYA TV」でレンタルできるので、今のうちに無料お試しキャンペーンを利用してぜひ観てみてくださいね!

さらに『REC/レック』は本当に怖いので、心してご視聴を……。今は「U-NEXT」で視聴するのが一番おすすめ。なんと1作目〜4作目の全作品が2017年9月4日まで限定配信されています。

最後に『ウォーキング・デッド』は、「dTV」と「Hulu」の両方で配信中ですね。どちらもシーズン1から現時点の最新作シーズン7まで全て視聴できるので、どんどん観ていってください。経済的には、月額1,026円(税込)のHuluより、月額550円(税込)のdTVのほうがお得かなと思いますけどね。お好きな方をどうぞ!

ゾンビオタク必見の「歴史的名作ゾンビ映画」おすすめ8作品

サム・ライミ監督の名作ゾンビ映画死霊のはらわたの画像

ゾンビ映画オタクのあなたは「歴史的に有名なゾンビ映画の名作」を観るのがおすすめ。

最新ゾンビ映画よりもゾンビメイクの技術や映像レベルは低いですが、名作と言われるだけあってどの作品も楽しませてくれます。自然とゾンビ映画の歴史も学べるでしょう。

元祖ゾンビ映画、ゾンビ映画の原点、「ゾンビ」を定義づけたゾンビ映画などの作品を見れば、あなたはもう「ゾンビ映画オタクです」と自信を持って公言できるはずです。

『死霊のはらわた』は2013年に公開されたリメイク映画。オリジナルの死霊のはらわたはスプラッターシーンが目立ちまくってましたが、リメイク版の方はまだまともですw 「2017年7月31日」まで限定配信中!

さらにオリジナル版の続編として制作された海外ドラマ『死霊のはらわた リターンズ』は、Huluで視聴できました。期間限定なので、早めにチェックしておいてくださいね。

そして『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』『バタリアン・シリーズ』『サンゲリア』などのゾンビ映画は、「TSUTAYA TV」で自宅に配送レンタルすると視聴できます。実際、近所のレンタルショップには置いてない場合も多いので、「30日間の無料体験」をうまく利用してチェックしてみてくださいね。

ゾンビ映画の最新作で僕がオススメする「超名作」だと思った4作品【厳選】

コメディ系ゾンビ映画ゾンビワールドへようこその画像

「最高だったゾンビ映画の最新作」もおすすめしておきましょう

『ウォーム・ボディーズ』は、主人公がゾンビのゾンビ映画。しかもシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が元ネタで、恋愛ゾンビ映画でもあります。ホラー嫌いの人が一番楽しめるゾンビ映画じゃないかな。これはゾンビの歴史から考えても「名作」に該当すると思いました。

『ゾンビランド』人類が滅亡しかけの終末的な世界の中で、だんだんと主人公が青春を取り戻していく。そういうテーマのゾンビ映画。過去のゾンビ映画の死亡フラグを折りまくる、というパロディネタが受けて世界的に大ヒットした作品です。名作ですよ。一度は見ておくべきかな。

『ワールド・ウォーZ』は、ハリウッドが誇る最も大スペクタクルのゾンビ映画で、ストーリーの規模や演出がゾンビ史上最高レベル。80年以上のゾンビ映画史の中でもダントツ一番です。ブラッド・ピット主演なんですが、そもそも大スターが主演のゾンビ映画ってレアなんですよね。

名作ゾンビ映画のあらすじ・ストーリーや見どころを解説

ここからは名作ゾンビ映画の解説をしていきます。

僕が視聴したゾンビ映画の中で「これは名作だ」「おすすめしたい」と思ったものだけを

  • あらすじ・ストーリー
  • 見どころ
  • 他のゾンビ映画との繋がり
  • ゾンビ映画にとって欠かすことのできない『社会風刺・時代背景
  • シリーズ物のゾンビ映画の場合は『時系列

を中心にまとめます。面白くない、イマイチなゾンビ映画は排除します。逆に、B級ゾンビ映画でも面白ければしっかりと紹介させて頂きます。ぜひご覧ください。

28日後…』『REC/レック』『アイ・アム・レジェンド』など純粋なゾンビ映画ではないけれど、ゾンビ映画の派生作品としては「同ジャンル」と言える作品も記載しています。

ドーン・オブ・ザ・デッド

名作ゾンビ映画ドーン・オブ・ザ・デッドの画像

『ドーン・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

主人公のアナは普通の看護師。ある朝徹夜明けで帰宅したアナは突如隣家に住む少女に襲われる。なんとか脱出した彼女だが、そこは街全体が感染したゾンビが溢れ、壊滅状態に陥っていた。藁(わら)をもすがる思いで、ショッピングモールへと逃げ込むのだが・・・。

見どころは、何と言っても走るゾンビ! 恐ろしいゾンビたちが全速力で迫ってくるシーンは最高に怖い。「巨大ショッピングモールでの籠城(たてこもり)」も見どころでしょう。

ハリウッドの名スタジオが製作したゾンビ映画ということで脚本も良いし、サバイバル要素や洗練されたゾンビメイクも素晴らしい。

『ドーン・オブ・ザ・デッド』は、「大好きなゾンビ映画ランキングTOP10」の1位によくランクインしています。「最も人気のあるゾンビ映画」、大衆的な意味での「ゾンビ映画の名作No.1」と謳われることも多いです。まだ『ドーン・オブ・ザ・デッド』を見ていないという人は、今すぐに観ることをおすすめします。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『ドーン・オブ・ザ・デッド』は、ジョージ・A・ロメロ監督が生みだした1978年の名作ゾンビ映画『ゾンビ』のリメイク作品です。オリジナル版『ゾンビ』にあった「大量消費社会への風刺」や「ユーモア」は完全に排除されてますが、その分最高のゾンビ・エンターテイメント作品に仕上がっています。ロメロ版の続編である1985年の名作『死霊のえじき』をリメイクした2008年のゾンビ映画『デイ・オブ・ザ・デッド』とは、ストーリー的にも設定的にも繋がりはないようです。

ショーン・オブ・ザ・デッド

コメディ系ゾンビ映画ショーン・オブ・ザ・デッドの登場人物

『ショーン・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

主人公のショーンはいい加減な生活を送る電器店の店員だが、言い合いの末、恋人リズに振られてしまう。落胆するショーンだが、町中にゾンビがあふれていることに気づき、母親とリズを助ける最高のプランを考えはじめる。一方、親友で居候のエドは相変わらず遊んでばかりのニートデブで・・・。

「ロマンチック・ゾンビ・コメディ」と称されるだけあって、見どころ満載。恋愛あり、恐怖あり、笑いあり、の1視聴で3粒おいしいゾンビ映画です。

ロメロ監督の流儀を守り、ゾンビは走れずにじわじわと追い詰めてくるわ、命の危機に瀕してもくだらない口論をしてるわで、歴史的名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』にも通じる作品になっていますね。感動もできます。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ゾンビ』のオマージュ映画です。パブに群がる「酔っ払い客」や街に徘徊する「飲んだくれ」はまるでゾンビ!見事に皮肉ってます。また、ショーン役サイモン・ペグと監督エドガー・ライトは、この映画がキッカケで、ロメロ監督の『ランド・オブ・ザ・デッド』に出演しています。(本人らの希望により「ゾンビ役」での出演!)

ゾンビランド

パロディ系ゾンビ映画ゾンビランドの登場人物

『ゾンビランド』のあらすじ・ストーリー

主人公のコロンバスは引きこもりのゲームオタク。彼は謎のウィルスが蔓延したゾンビだらけの世界で、自ら決めた「生き残るための32のルール」を徹底することで独り生き延びていた。偶然、ゾンビ駆逐マニアのタラハシーと、美人姉妹のウィチタとリトル・ロックに出会い、ゾンビがいないと噂される遊園地”パシフィック・プレイランド”へ目指すことになったのだが…。

見どころは「ゾンビの世界で生き残るための32のルール」で、過去のゾンビ映画の死亡フラグをことごとく潰していくシーンでしょう。終末的な世界なのにあまり怖くないし、むしろ笑える内容です。

1億ドルというゾンビ映画史上最高のヒット映画となった作品なので、ゾンビ映画好きは絶対に観ておきましょう(2009年時点)。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

この映画に出てくる(怒り狂った)走るゾンビは『28日後…』の感染者に似てますが、人肉を求める様子は、ロメロ監督が定義したクラシカルなゾンビと同じです。ただし内容的には非常にユニークで、似たようなゾンビ映画は見当たりませんでした。実はTVドラマ版『ゾンビランド』も企画されたのですが、『ウォーキング・デッド(TVドラマ)』にその地位を奪われてしまったようです。

ウォーキング・デッド(TVドラマ)

TVシリーズゾンビ作品ウォーキング・デッドの登場人物

『ウォーキング・デッド(TVドラマ)』のあらすじ・ストーリー

昏睡から目覚めた保安官代理のリック・グライムズは、人を喰らうゾンビで世界が覆い尽くされていることを知る。リックは妻と息子を探すうち、生存者たちのコミュニティへと流れ着き、家族やかつての相棒で親友のシェーン・ウォルシュと再会。しかし、そこにも「ウォーカー(歩く者)」と呼ばれるゾンビの影が迫っていて・・・。

『ウォーキング・デッド(TVドラマ)』は、海外ドラマとして、FOXの看板番組にまで成長し、高視聴率を更新し続けているゾンビ作品です。厳密にはゾンビ”映画”ではないですが、ゾンビが「大衆的な存在」にまで登り詰めたことを象徴付ける歴史的ゾンビ作品と言えます。

見どころですが、1つは最新のゾンビメイクが素晴らしすぎる所。人間の作りあげるゾンビが「芸術品レベル」まで達していて感動に値します。

もう1つは、丁寧に描かれる登場人物たちの「心理描写」や「会話シーン」ですね。映画なら120分で完結するところを、3倍の360分くらいかけてストーリーが進むわけなので、感情移入の仕方も「3倍」ではないでしょうか。

『ウォーキング・デッド』シリーズの時系列

  1. ウォーキング・デッド/シーズン1(2010年〜)
  2. ウォーキング・デッド/シーズン2(2011年〜)
  3. ウォーキング・デッド/シーズン3(2012年〜)
  4. ウォーキング・デッド/シーズン4(2013年〜)
  5. ウォーキング・デッド/シーズン5(2014年〜)
  6. ウォーキング・デッド/シーズン6(2015年〜)
  7. ウォーキング・デッド/シーズン7(2016年〜)
  8. ウォーキング・デッド/シーズン8(2017年〜予定)

アメリカで大人気ということで、毎年新シリーズが作られてます。特に人気があったのはシーズン4とシーズン5。Huluでもシーズン5までは見放題になっているので、最新ゾンビ作品に触れてみたい人は、配信が終わらないうちに視聴しておくことをおすすめします。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『ウォーキング・デッド』の始まり方は『28日後…』とそっくりです。病院で昏睡状態で目が覚めたら周りがゾンビだった・・・という感じ。「腐臭をカラダに付着させたら生存者でもゾンビに見せかけられる」というシーンは『ウォーム・ボディーズ』にもありますね。ちなみにジョージ・A・ロメロ監督はこの作品に関わっていません。(自分の作品に似ているという理由で、ウォーキングデッドのオファーをロメロ監督自身が断ったそうです。)

28日後…28週後…

SF系ゾンビ映画28日後...の画像

『28日後…』のあらすじ・ストーリー

動物保護活動家らが動物実験をおこなう「霊長類研究所」を襲撃し、危険なウイルスに感染していたチンパンジーを解放してしまう。そこから28日後、交通事故で昏睡状態だったジムが、ロンドンの病院でひとり目を覚ますが、街はすでに感染者で溢れていた・・・。

『28日後…』といえば、元祖走るゾンビ映画。それまでのゾンビ映画と違い、感染者は怒り狂い「全力疾走」でおいかけ殺そうとしてきます。ウイルスの感染者は、数〜十数秒で脳を破壊され、凶暴性むきだしの生きものに変貌してしまうのです。見どころ主人公ジムが見せる狂気。ゆっくりと歩き彷徨う古典的なゾンビとは全く違った恐怖を味わうことができるはずです。

続編『28週後…』のあらすじ・ストーリー

凶暴化ウイルスによって壊滅状態だったイギリスも、28週間後には米軍の協力のもと復興が始まっていた。感染者をすべての駆除することに成功したのだ。その後ウイルスに免疫を持ち、感染しても発症しない女性も見つかるが、また1人の感性者からパンデミックが始まってしまい・・・。

『28日後…』のストーリーは続編でつぎの展開に。『28週後…』では感染の食いとめに成功した軍と、あらたな感染を呼ぶ「1組の家族」に焦点が当てられます。見どころ凶暴化する主人公と名狙撃手のドイル軍曹を演じるジェレミー・レナーの勇姿。『28日後…』では描かれなかった「パンデミック発生の瞬間」を見ることができます。

『28日後…』シリーズの時系列

  1. 28日後…(2002年)
  2. 28週後…(2007年)
  3. 28ヶ月後…(現在企画進行中)

さらなる続編『28ヶ月後 …』の製作も進行中。ちなみに『100日後…』というB級ゾンビ映画がありますが『28日後…』とは無関係です。邦題や宣材ジャケット画像はそっくりで明らかにパクリですが、原題や海外ポスター、なにより映画の内容自体が全くの別物なのでご注意ください。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『28日後…』と『28週後…』の感染者は「死者」ではないので、狭義には「ゾンビ映画」と言えません。ただ作中に漂うB級感や終末感は、間違いなく他のゾンビ映画に多大なる影響を与えました。『28日後…』の大ヒットを受けて作られた『ドーン・オブ・ザ・デッド』など「走るゾンビ映画」が増えたのも、この映画のおかげでしょう。終末的な雰囲気は『ウォーキング・デッド』に受け継がれています。

バイオハザード・シリーズ

サバイバル系ゾンビ映画バイオハザードの登場人物

『バイオハザード』のあらすじ・ストーリー

21世紀初頭、全米のトップ企業アンブレラの地下研究所「ハイブ」で、開発中のTウィルスが漏洩した。バイオハザードを食い止めるために、施設内のスーパー人工知能が所属社員をすべて死亡させ汚染は食い止められた。その一方で、記憶を失った謎の女性アリスが目を覚ます・・・。

『バイオハザード』は「ゾンビ映画No.1」とも言える戦闘アクション最大の見どころ。スピード感のある射撃、飛び蹴り、まわし蹴りなど、他のゾンビ映画では決して見られないかっこいい戦いが楽しめるはず。ゾンビ犬「ケルベロス」や生物兵器「リッカー」も原作のゲーム以上の迫力で登場。あと主人公アリスの裸シーンもバッチリ・・・。

『バイオハザード』は、大手スタジオが製作したゾンビ映画史上初の大作ゾンビ映画。バイオハザード以降のゾンビ映画は単に怖いだけじゃなく、視覚的にも物語的にも、より見ごたえのある作品が量産されるようになりますね。名作ゾンビ映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』はその1つ。

『バイオハザード』シリーズの時系列

  1. バイオハザード(2002年)
  2. バイオハザードII アポカリプス(2004年)
  3. バイオハザードIII(2007年)
  4. バイオハザードIV アフターライフ(2010年)
  5. バイオハザードV リトリビューション(2012年)
  6. バイオハザード: ザ・ファイナル(2016年)

映画『バイオハザード』はゾンビ映画なのですが、第4作目の『バイオハザードIV アフターライフ』あたりからは「クリーチャー映画」のようになっているように感じました。主人公アリスが超能力に目覚めたり、遺伝子操作でクローン人間を大量生産したりとまるでSFアクション映画。まぁそれも含めてバイオハザードの映画は面白いんですけどね。

バイオハザードシリーズ第6作目『バイオハザード: ザ・ファイナル』の日本公開予定日は2016年12月23日。女戦士コバルト役で人気モデルのローラが出演するので要注目です。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ここまで「アクション」に特化したゾンビ映画は他にありません。「逃げまわるだけ」の主人公を見飽きた人には、このゾンビ映画『バイオハザード』が最もおすすめです。

ウォーム・ボディーズ

恋愛系ゾンビ映画ウォーム・ボディーズの登場人物

『ウォーム・ボディーズ』のあらすじ・ストーリー

青年ゾンビのRは、人間を襲いに向かった先でジュリーという1人の美女に恋してしまう。Rは他のゾンビから彼女を守り、想いもアピールすることで次第に打ちとけていく。そしてゾンビの世界にも大きな影響を与えることに。しかし、そんな2人をよく思わない「ガイコツ」と呼ばれるゾンビたちが、Rとジュリーを襲いはじめる・・・。

『ウォーム・ボディーズ』は近年のゾンビ映画の中でもとくに傑作です。恋愛系のゾンビ映画で、この映画を超える作品は当分出てこないでしょうね。「ゾンビ映画の名作」として、間違いなく後世に残ることでしょう。

シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』をオマージュしたストーリー。ゾンビが生きた少女に恋してしまい徐々に人間の心を取り戻していく、という話がゾンビ視点で描かれてます。「社会的な障害をはねのけて愛に生きる」という設定が、「ゾンビ映画の世界観」と見事に融合していて素晴らしい。人間の脳を食うと、その人の記憶や感情を体験でき、つかの間の人間気分を味わえる、という設定もユニークで面白い。

ゾンビ映画は怖いから苦手!という人にもおすすめしたい映画です。なぜなら、ゾンビが主人公で、かつ、Rが強烈に感情移入をしやすいキャラクターなので、同種である普通のゾンビにまったく恐怖を感じません。「ガイコツ」という名の凶暴なゾンビは、けっこう怖いですが、それでも「主人公がゾンビ」というワクワク感の方が勝っていますね。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ゾンビが自我を持って、人間味を取り戻していく、という設定はジョージ・A・ロメロ監督の『ランド・オブ・ザ・デッド』にもあります。ただ、その後の展開をきっちり描き切ったという意味で、ウォーム・ボディーズ』は他のゾンビ映画と一線を画します。「ウォーム・ボディーズ」というタイトル付けも素晴らしい。あと「スマホの登場」によって、コミュニケーションが気薄になった現代社会への風刺も出てきます。ゾンビ映画ファンに名作として親しまれる『サンゲリア』のブルーレイが映画に登場する場面もありますが、クスッと笑えて良いシーンでした。

デイ・オブ・ザ・デッド

サバイバル系ゾンビ映画デイ・オブ・ザ・デッドの登場人物

『デイ・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

演習という名の下、軍に緊急封鎖された田舎町では「風邪に似た伝染病」が蔓延している。主人公のサラはこの町に住む母親を説得して病院へ向かうが、院内はすでに感染した患者で混乱状態にあった。やがて感染者たちはゾンビ化し、住民や軍人を襲い始めてしまう・・・。

終始ハラハラされられっぱなしのサバイバル・ゾンビホラー映画。叫びながらゾンビたちが全力突進してくるわ、天井に張りつくわで怖すぎます。あなたの心臓が止まってしまうかもしれないので、かならず最後の最後まで気を抜かずに観てくださいね。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ジョージ・A・ロメロ監督の名作『死霊のえじき』をリメイクしたゾンビ映画。オリジナル版にあった「人間ドラマ」は無くなっています。生前ベジタリアンだった人間は「ゾンビになっても人肉を求めない」という設定には笑ってしまいますし、彼がゾンビになって銃を撃つシーンは、オリジナル版のゾンビ「バブ」を思い出させてくれる良シーン。ちなみに、この映画の凶暴なゾンビたちは『28日後…』の感染者に似ていますね。

ダイアリー・オブ・ザ・デッド

ドキュメンタリー系ゾンビ映画ダイアリー・オブ・ザ・デッドの登場人物

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

ジェイソンら、ピッツバーグ大学映画学科の学生たちは卒業制作で自作ホラー映画を撮影していた。しかし、ゾンビが人を襲い始めたという動画が突如ネット上に出まわり、街は気づけばゾンビだらけ。ジェイソンはこの惨劇を記録し報道するため、ひとりカメラを回し続けるが・・・。

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』は、ゾンビ映画の巨匠ロメロ監督が「現代版」として新たに撮ったゾンビ映画です。映画には「YouTube」や「SNS」「ブログ」が登場するので、もし現代にゾンビが現れたらこうなるのか!という視点で楽しめるはず。過去の名作ゾンビ映画と同じく、低予算で作られたゾンビ映画なのでB級映画好きの人にもおすすめです。

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』シリーズの時系列

  1. ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2008年)
  2. サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009年)

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の続編は、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』という映画です。2009年に公開され、ここでロメロ監督のゾンビ映画シリーズは一旦の幕をおろしていますね。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

「現代のネット社会」に発生したゾンビパニックを描くゾンビ映画。ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』の3部作、それに続く『ランド・オブ・ザ・デッド』から完全に切り離されたストーリーで、現代の「情報社会」「国民総ジャーナリスト時代」に対する社会風刺が、フェイクドキュメンタリー調で撮られています。

ワールド・ウォーZ

ハリウッド超大作ゾンビ映画ワールド・ウォーZの登場人物

『ワールド・ウォーZ』のあらすじ・ストーリー

元国連職員ジェリー・レインは、いつもと様子の違う交通渋滞にはまってしまう。渋滞の原因は未知のウィルスによる大混乱だった。ゾンビ感染が世界に広がってしまった頃、国連事務次長ティエリーから連絡が入り、現場への復帰を要請されたジュリーは、世界中の感染地域を旅することになる。最初の感染者「ペイシェント・ゼロ」を探し出し、治療法を見つけるために・・・。

『ワールド・ウォーZ』はハリウッドが誇る最強のゾンビ映画でしょう。ゾンビ映画史上、最高規模で描かれるストーリー、圧倒的なスケール感、世界中を飛び回るブラッド・ピットなど、ここまで大スペクタクルなゾンビ映画は過去にも存在してません。見どころは何千ものゾンビが「蟻の大群」のように押し寄せ、空中のヘリコプターを引きずり落とすシーン。鳥肌ものです。

興行収入も過去のゾンビ映画史上最高額の5億ドル。それまでの最高収益額1億ドルの『ゾンビランド』をはるかに超えた数字です。『ワールド・ウォーZ』は、「81年」という長いゾンビ映画の歴史において、商業的な意味での「頂点」を極めました。こんなゾンビ映画が見たかったんだ!と、きっとあなたも喜ぶはずです。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ロメロ監督のゾンビ映画以降、低予算で作られてきたマイナー・モンスターのゾンビたち。彼らは、映画『ワールド・ウォーZ』によって大衆的な存在へと昇華され、世界中で広く親しまれるメジャー・モンスターの地位を確立することになりました。『バイオハザード・シリーズ』に始まった大衆ゾンビ映画が、『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『ウォーキング・デッド(TVドラマ)』を経て『ワールド・ウォーZ』にまで行き着いたことは、一種の感動すら覚えさせてくれますね。

ランド・オブ・ザ・デッド

ジョージ・A・ロメロ監督ゾンビ映画ランド・オブ・ザ・デッドの登場人物

『ランド・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

生き残った人間たちは、ゾンビで溢れた終末的な世界で協力し合うどころか、高層ビルに住む裕福層と一方的に虐げられているスラムの貧民に二分している。だがその裏では、ゾンビ達は自我を持ちはじめ、団結し、人類への大規模な攻撃をしかけようとしていた・・・。

ジョージ・A・ロメロ監督がハリウッドの大手スタジオと初めてタッグを組んで作り上げた、初の大作ゾンビ映画。それが『ランド・オブ・ザ・デッド』です。ロメロ監督のゾンビ映画のなかで、唯一、B級感のないゾンビ映画でしょう。

見どころは、黒人ゾンビ「ビッグ・ダディ」の活躍。ダディは前作『死霊のえじき』のキラーゾンビ「バブ」を思わせるキャラクターで、欲望にまみれた人間よりはるかに「純粋な心」を持っています。権力を手にした富豪と何も持たない貧困の人間、そして自我に目覚めだしたゾンビ達という、三つ巴の戦いが最高に熱い。きっとあなたも「ゾンビ」を応援してしまうでしょう。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でのゾンビ発生から3年後のストーリー。一部の富裕層がその他すべての人間を支配している、という現代の「格差社会」や、それに伴う「抗争や紛争」を社会的・政治的にバッサリと風刺した内容になっています。

REC/レック

スペインのゾンビ映画REC/レックの画像

『REC/レック』のあらすじ・ストーリー

テレビ局のニュースレポーターであるアンヘラは、取材中の消防士らとともに、通報のあったアパートへ向かう。しかし中で見たのは、襲いかかってくる凶暴化な感染者の姿だった。じわじわと感染が拡大する中、建物は封鎖され、外に出られなくなってしまう。アンヘラは一部始終を記録するために、ひらすらカメラを回しつづけ、他の住人と脱出を試みるのだが・・・。

見どころは「密室」での感染パニック。決して逃げられない恐怖が最高です。「唾液感染」というのが、他のゾンビ映画にはない設定もユニークですね。『REC/レック』は、リラックスした状況から一歩ずつ「地獄絵図」へと向かうストーリー。厳密にはゾンビ映画ではありませんが、ある意味ゾンビ映画以上に楽しめるのでゾンビ映画ファンは必見でしょう。

『REC/レック』は、ドキュメンタリーに見せかける「モキュメンタリー」という手法で撮られていて、他のゾンビ映画より遥かに「リアルで現実味のある恐怖」が味わえます。記者のアンヘラが住居者へインタビューをして、物語真相がどんどん明らかになっていく展開が素晴らしい。

余談ですが、『REC/レック』は、この記事を作るにあたって見た数十個のゾンビ映画のなかで、ダントツで最高に怖かった映画でした。

『REC/レック』シリーズの時系列

  1. REC/レック(2007年)
  2. REC/レック2(2009年)
  3. REC/レック3 ジェネシス(2012年)
  4. REC/レック4 ワールドエンド(2014年)
  5. REC:レック/ザ・クアランティン(2008年)【リメイク】
  6. REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの悲劇(2011年)【リメイク】

ゾンビ映画の中でも『REC/レック』はとくに続編の多い映画ですね。オリジナル版はスペインで作られた『REC/レック』シリーズで「全4作」。リメイクしたアメリカ版の『REC:レック/ザ・クアランティン』にも続編があり「全2作」です。

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ちなみに、U-NEXTではオリジナル版のみの配信でリメイク版のREC/レックは配信されていません。しかし、今ならHuluで『リメイク版』を視聴できるようです。配信の期限もあるのでお早めにどうぞ。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

同じモキュメンタリー系ゾンビ映画が観たい人は、ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』を観るのがおすすめ。密室映画の『REC/レック』とはまた違った恐怖が味わえます。怒り狂い噛みついてくる感染者の様子は、『28日後』のゾンビ(感染者)にそっくりでした。

ゾンビーノ

コメディ系ゾンビ映画ゾンビーノの登場人物

『ゾンビーノ』のあらすじ・ストーリー

空が放射能に覆われた影響で、死者が全員ゾンビになり「ゾンビ戦争」が勃発。だが、ガイガー博士が発明したゾムコン社の「ゾンビ調教指輪」によって、ゾンビがペットとして飼えるようになる。小学生のティミーもゾンビを “Fido” と名づけて友達になるが、近所に暮らすイヤミな婆さんの八つ当たりで Fido が暴走。そこから徐々にゾンビ感染が広がっていき・・・。

『ゾンビーノ』は、「好きなゾンビ映画ランキングTOP10」にも頻繁にランクインするほど人気のゾンビ映画。恐怖シーンもほとんどなく、ゾンビ映画は怖くて見れない!という人でも楽しめる作品です。ゾンビ・コメディで「怖い」映画が見たい人は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ゾンビランド』を見てくださいね。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『ゾンビーノ』の牧歌的な雰囲気は、ジョージ・A・ロメロ監督の名作映画『ゾンビ』を思い出させてくれます。また、主役ゾンビが知的な行動をとり人と仲良くなるストーリーは、2013年のゾンビ映画『ウォーム・ボディーズ』にきっちりと受け継がれ「ゾンビとの恋愛」にまで昇華されています。どれも素晴らしいゾンビ映画です。

ゾンビワールドへようこそ

コメディ系ゾンビ映画ゾンビワールドへようこその登場人物

『ゾンビワールドへようこそ』のあらすじ・ストーリー

冴えない高校生のベンは、女の子と遊びたくて仕方なかった。幼馴染のケンダルと踊るため、ボーイスカウトのキャンプを抜け出しクラブに行く計画を立てるが、いきなりゾンビ化した人々に襲われてしまう。ストリップの世界で働く同い年の美女デニスに助けてもらい、仲間と共にケンダルを救出しようとサバイバルに挑むのだが・・・。

ショーン・オブ・ザ・デッド』が作り出した「ロマンテック・ゾンビ・コメディ」というジャンルに該当しそうな青春系ゾンビ映画です。なんと全員童貞!冴えないオタクの男子高校生たちが、ボーイスカウトのスキルを活かしてゾンビと戦います。

アクションも素晴らしいしお笑い要素も適度にあって、ちゃんと怖い。かなり優秀なゾンビ映画だなという印象です。名優アーノルド・シュワルツェネッガーの息子、パトリックのイケメンぶりも見どころの1つ。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『ゾンビワールドへようこそ』では、可愛くてセクシーな美女が大活躍。『バイオハザード・シリーズ』ほどのアクションは、もちろん期待できませんが十分楽しめるはず。ストーリーや脚本もしっかりしていて、最新のゾンビ映画の中ではおすすめの1作ですね。

アイ・アム・レジェンド

名作ゾンビ映画アイ・アム・レジェンドの登場人物

『アイ・アム・レジェンド』のあらすじ・ストーリー

2009年、女性科学者アリス・クルピン博士ガンの治療薬を開発した。だが、その治療薬は人類の94%を死に至らしめ、5%を他の人間を襲って捕食する「ダーク・シーカー」に変えてしまうものだった。治療薬への免疫があり、かつダーク・シーカー化をまぬがれた主人公のネビルは、廃墟と化したニューヨークで独り、愛犬のサムと生き延びていた・・・。

どことなく雰囲気が『28日後…』に似ていて、厳密にはゾンビ映画ではありません。登場するのは、ダーク・シーカーという吸血鬼に近いモンスター。ただ他のゾンビ映画のように生存者が自分だけという、より終末的な世界観が楽しめる作品に違いありません。

じつは映画館で公開されなかった別エンディングが存在しています。主人公がダーク・シーカーの知能や価値観をみとめて、彼らを尊重する行動を取るのですが、こちらの方が深いストーリーだと思いました。

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他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

同じ小説が原作の映画には、1964年の映画『地球最後の男』と、SF映画に近い1971年の『地球最後の男オメガマン』があります。とくに1964年版の映画は、ジョージ・A・ロメロ監督にインスピレーションを与え、名作ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を作るキッカケとなりました。ゾンビ映画の基礎はここから始まるわけです。

サバイバル・オブ・ザ・デッド

ジョージ・A・ロメロ監督の名作ゾンビ映画サバイバル・オブ・ザ・デッドの登場ゾンビと画像

『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のあらすじ・ストーリー

プラム島ではゾンビを生かすべきか殺すべきかの争いが起きていた。「殺すべき派」のパトリックは、数で勝るマルドゥーンに島から追放されるも、インターネット上で「プラム島は安全な島だ」という動画を公開。それから3週間後、軍から脱走した元軍人のサージらが、この情報を知り半信半疑でプラム島へ向かうが、そこで見たものは、鎖につながれ生前の行動をただ繰り返すだけのゾンビたちだった・・・。

2016年時点での、巨匠ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画最新作。前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の主人公らを襲った「脱走兵」のストーリーです。今回も「YouTube」が登場。しかし前作と違うのは、現代的な要素がほぼ入っていないこと。

むしろ『大いなる西部』など、20世紀に流行った「西部劇」の設定が色濃く出ている人間ドラマ映画です。敵と味方のどちらも「自分の正義」を主張して、結局は「意地の張り合い」をしているだけ、というロメロ監督らしい作品。ロメロ監督のゾンビ映画ファンは観ておきましょう。

『サバイバル・オブ・ザ・デッド』シリーズの時系列

  1. ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2008年)
  2. サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009年)

2009年の『サバイバル・オブ・ザ・デッド』以降、ロメロ監督はゾンビ映画を撮っていません。2010年にセルフリメイクした『クレイジーズ』も一応はホラー映画でしたが、ゾンビではなく「細菌兵器」によるパニック映画でした。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の続編映画。時系列上では、6日後のストーリーです。とはいえ前作とのストーリー上の繋がりは弱く、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』に出てきた強盗の視点で描かれてる別映画と思ってください。しかし、ロメロ監督の社会風刺は健在なので、争いが絶えない人間の「醜さ」が楽しめるはず。

ジャンル別で見る「ロメロ監督ゾンビ映画」と「ゾンビコメディ映画」の一覧

名作ゾンビ映画ドーン・オブ・ザ・デッドの登場人物

「ゾンビ映画といえば、「ジョージ・A・ロメロ監督の作品」でしょう?」

「ゾンビ映画は怖いけど、「笑えるゾンビ・コメディ作品」なら見たい!」

という声は多いと思うのでまとめておきます。ジャンル別にゾンビを見るのも楽しいはず。

とくにロメロ監督のゾンビ映画は「時系列順」に見た方が面白いので、ぜひ参考にしてください。例外として、ロメロ監督のオリジナル作を【リメイクしたゾンビ映画】は作品同士の繋がりがないので、好きなタイミングで観ても大丈夫です。

ロメロ監督ゾンビ映画の全6作品まとめ一覧(+リメイク2作品)

ジョージ・A・ロメロ監督が発表したゾンビ映画は全6作品。いわゆる「ロメロゾンビ」。これらを時系列順で一覧にしてみました。

ロメロゾンビの特徴は、「走らないゾンビ」「人肉を貪る」「知性の回復が起きる」「ゾンビを食べた側もゾンビ化する」「人間同士の争いが主なストーリー」「社会風刺が楽しい」です。

その他のロメロ監督が関与してないリメイク映画には、「走るゾンビが出てくる」「人間ドラマよりサバイバル要素が強い」など、あえて悪く言うとロメロゾンビとは「別物」になってます。リメイクの方もゾンビ映画としては最高なんですけどね。

ちなみに『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)』は古いモノクロ映画なので、ロメロ監督自身がリメイクに関わった1990年の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』を観てもOKです。ストーリーや設定が、オリジナル版とリメイク版でほぼ同じなので問題ありません。

ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画は、今なお「名作」として語り継がれる作品ばかり。ぜひ視聴して楽しんでくださいね。

コメディ系の名作ゾンビ映画6作品まとめ一覧

そもそも「コメディ映画」とはユーモアに重点を置き、聴衆を笑わせるために撮られた映画です。陽気で明るい、というのが基本。

一方の「ゾンビ映画」は、恐怖に重点が置かれ、聴衆を怖がらせるために作られています。

この2つを合体させたのが「ゾンビ・コメディ」というジャンルになります。ゾンビ・コメディに該当するゾンビ映画で、とくに面白く「名作」と呼べる作品の一覧は下記の通り。

どの映画もそれぞれ、作品の趣やカラーが異なります。

バタリアン(1985年)』は、名作というより「古典」と呼ぶのが正しいかもしれません。コメディ系ゾンビ映画の歴史を振り返りたい人はチェックしてみてください。

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)』は、「ロマンティック・ゾンビ・コメディ」というジャンルを確立させた偉大な作品です。恋愛とコメディとゾンビの3つが同時に楽しめます

ゾンビーノ(2007年)』は、ゾンビも出てくるコメディ映画という雰囲気。人にもよりますが、僕は一切怖くなかったです。のほほんと気軽に見れるタイプの貴重なゾンビ映画かな。

ゾンビランド(2009年)』も面白い作品です。ぶっちゃけると終盤まで大してゾンビが出てきませんが、ゾンビ関係なく、登場人物たちのやり取りが超楽しい。これもコメディ作品かな。

恋愛満載のゾンビ映画コメディが見たいなら、『ウォーム・ボディーズ(2013年)』で決まり。これ以上の作品はありません。僕が視聴したゾンビ映画の中で、最近ダントツ面白かった映画がこれです。

ゾンビワールドへようこそ(2015年)』はやや怖いので注意ですが、モテない田舎者のボーイスカウトが、女子のために必死にゾンビと戦うなど「笑える要素」が満載。コメディとは少し違いますが、コミカルなゾンビ映画であることは間違いありません。僕的におすすめの一作です。

歴史的に著名な名作ゾンビ映画を順番に解説

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

歴史的名作ゾンビ映画ナイト・オブ・ザ・リビングデッドの画像

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のあらすじ・ストーリー

ジョニーとバーバラの兄妹は父親の墓参りの途中、突然無言の男に襲われる。気絶した兄を残し、バーバラは近くの農家に逃げ込むが、たちまち周囲はゾンビに包囲されてしまった。他に逃げ込んできた黒人のベン、若いカップル、中年夫婦とその娘とともに脱出を試みるが、集まった人間はくだらない言い争いで対立するばかりで・・・。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、ゾンビ映画史上最古の名作『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』から続く「ゾンビ=ブードゥー教が奴隷をつくるため儀式によって蘇らせた死体」という設定をぶち壊したジョージ・A・ロメロ監督の作品。ゾンビ映画史上、最も偉大な名作として後世に語り継がれていくゾンビ映画になるでしょう。「人肉を貪る」「火を怖がる」「頭を破壊しないと死なない」という現代のゾンビ像は、すべてジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の中で生み出されたもの。ゾンビ映画で唯一、アメリカ国立議会図書館に「重要作品」として永久保存されています。

1968年オリジナル版はモノクロ(白黒)映画なので、すごく歴史を感じられます。「ゾンビ映画は黒人が活躍する!」という風潮も、このゾンビ映画がキッカケでしょう。著作権フリーとして扱われたせいで、YouTubeなどで無料視聴できることもあります。

個人的には、ロメロ監督が脚本の正式リメイク作品『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』の方が楽しめると思います。カラー映画だし「女性の活躍」などストーリーもより現代的だし、社会への切り込み方も深いです。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』からの時系列

  1. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)
  2. ゾンビ(1978年)
  3. 死霊のえじき(1985年)
  4. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀(1990年)【正式リメイク】

ほぼストーリー的な繋がりはありませんが、それぞれの映画ごとに、「ゾンビ発生」「ゾンビの増加」「地球上のほとんどがゾンビ化」という時系列でもって進んでいきます。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

ジョージ・A・ロメロ監督は『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』以降、ゾンビという題材をつかって社会への強烈なメッセージを発信し始めました。死が迫るような重要な局面においても、まだ人間はくだらない言い争いや意地の張り合いをしている。反省すべきだと。ロメロ監督はその後のゾンビ映画でも社会風刺を続けています。『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ウォーム・ボディーズ』などは、ロメロ監督にならい社会風刺が込められたゾンビ映画の代表格ですね。

ゾンビ(原題: ドーン・オブ・ザ・デッド)

歴史的名作ゾンビ映画ドーン・オブ・ザ・デッド(原題)の登場人物

『ゾンビ』のあらすじ・ストーリー

ゾンビ発生から3週間後、ゾンビ化した死者は増加しつづけ社会は混乱におちいっていた。フィラデルフィアの特殊部隊員ピーターとロジャー、テレビ局のプロデューサーで妊婦のフランと恋人のスティーブンの4人は、ヘリコプターでとある巨大ショッピングモールに避難する。大量の物資は確保できたが、施設内にはゾンビの大群がウヨウヨしていて・・・。

2014年のリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』が有名ですが、1978年のオリジナル版も当時大ヒットした超人気のゾンビ映画。名台詞として「地獄が満員になると、死者が地上を歩く」というブードゥー教の一節も登場します。

ジョージ・A・ロメロ監督らしい鋭い社会風刺が特徴的で、「ショッピングモールに集まる買い物客は物欲に支配されていて、彷徨っているようなものだ」というメッセージが込められてます。いまだ「大量消費時代」の名残を捨て切れてない人はこの作品を見ておくべきかもしれません。

シリアスな場面もありますがユーモラスで愉快な場面も多く、『ゾンビ』はまったり観れる系のゾンビ映画です。ゾンビメイクは現代レベルに遠く及びませんが「人を喰らうゾンビが人類を滅亡させる」という設定を生み出した作品で、前作と同じく「ゾンビ映画の原点」とも言える歴史的名作映画となってます。

『ゾンビ』シリーズの時系列

  1. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)
  2. ゾンビ(1978年)
  3. 死霊のえじき(1985年)
  4. ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年)【ハリウッドリメイク】

『ゾンビ』は、ロメロ監督「ゾンビ3部作」の真ん中に位置し、そのまま『死霊のえじき』へと進みます。『死霊のえじき』はかなり面白い映画で、『ゾンビ』ほどの古さを感じさせないので一度は見てほしい作品。リメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』は当然ながら必見です。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

この『ゾンビ』という映画で確立された「ゾンビによる人類滅亡」というジャンルは、『バイオハザード』『28日後…』『ゾンビランド』『ウォーキング・デッド(TVドラマ)』『ワールド・ウォーZ』など、幾つもの名作ゾンビ映画に受け継がれています。パロディ作品として生まれた『ショーン・オブ・ザ・デッド』も大人気作品の1つです。

死霊のえじき(原題: デイ・オブ・ザ・デッド)

歴史的名作ゾンビ映画死霊のえじきの登場人物

『死霊のえじき』のあらすじ・ストーリー

すでに地球はゾンビに埋めつくされていて、生き残りの人間は地下へと追いやられていた。地下で研究を続ける科学者サラもその1人。やがて実験材料として手なずけていた「バブ」という名前のゾンビが幼児レベルの知性や運動能力を取り戻すも、自己中心的な軍人と科学者の対立により、人間の仲間割れがはじまって・・・。

「人間はゾンビより醜い」というジョージ・A・ロメロ監督のメッセージは、『死霊のえじき』でより明確になってます。見どころは、バブと名付けられたゾンビは知性を回復させ、純粋な性格の人間に戻りだすところ。

バブの進化は、続編にあたる『ランド・オブ・ザ・デッド』への伏線にもなっているので要チェックですね。この「最後にはゾンビを応援してしまう」っていうストーリーが素晴らしく、他のゾンビ映画と一線を画してます。

一方の人間は、いつまでも自己中心的で争ってばかり。『死霊のえじき』では「人間A」対「 人間B」という構図ですが、『ランド・オブ・ザ・デッド』では「人間A」対「 人間B」対「ゾンビ」という三国志のような燃えるストーリーにスケールアップしています。今見ても楽しめるほど良く出来た「人間ドラマ」もあり、次回作への伏線もあるので『ランド・オブ・ザ・デッド』を見る前にぜひ見ておいてほしい作品です。

『死霊のえじき』シリーズの時系列

  1. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)
  2. ゾンビ(1978年)
  3. 死霊のえじき(1985年)
  4. ランド・オブ・ザ・デッド(2005年)
  5. デイ・オブ・ザ・デッド(2008年)【ハリウッドリメイク】

ロメロ監督の3部作としては『死霊のえじき』で一旦終了ですが、続編とも言えるゾンビ映画『ランド・オブ・ザ・デッド』が2005年に公開されています。めちゃくちゃ面白いのでおすすめ。

リメイク作品として『デイ・オブ・ザ・デッド』も公開されていますが、オリジナル版の『死霊のえじき』とは全然ちがうエンタメ全開のサバイバル・ゾンビ作品となっています。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『死霊のえじき』に始まった「ゾンビが進化して人間に戻りはじめる」というストーリーは、時を経て2013年の名作『ウォーム・ボディーズ』に受け継がれてます。ネタバレになるので言えませんが、『ウォームボディーズ』も合わせて必見なのでぜひご覧ください。

死霊のはらわた・シリーズ

歴史的名作ゾンビ映画死霊のはらわた・シリーズの登場人物

『死霊のはらわた』のあらすじ・ストーリー

若いアッシュら5人は、山奥の小屋にやってきた。その古びた建物には地下室があり、テープレコーダーと「死者の書」を見つけてしまう。テープには悪霊を蘇らせる呪文が録音されていて、アッシュの友人たちはゾンビのような怪物と化して襲いかかってきた。アッシュは友人らを殺すことをためらうのだが・・・。

『死霊のはらわた』は、映画スパイダーマン・シリーズで名をはせることになるサム・ライミ監督のデビュー作品。過去のゾンビ映画ブームとはまた違う「スプラッター・ブーム」が起きるほど人気で、続編『死霊のはらわたII』『キャプテン・スーパーマーケット』の2作も作られてます。

場面や設定も違いますが、森のなかの小屋に閉じ込められて謎の化け物(ゾンビ)に襲われるというのは名作の密室ホラー『REC/レック』に通じる世界観です。

【リメイク版】『死霊のはらわた』のあらすじ・ストーリー

薬物依存症のミアのリハビリのため、兄のデビットとその友人ら計5人の若者が山奥の小屋を訪れた。小屋の地下には「何かの儀式」の形跡と、1冊の不気味な本があり、何気なくそこに書かれた呪文を読み上げてしまう。「麻薬症状が治まるまで帰さない」という考えをつらぬく4人のそばで、恐ろしい影がミアを襲いはじめる・・・。

2013年リメイク版『死霊のはらわた』の大きなポイントは、「麻薬中毒の妹を助ける」という設定が追加されていること。映画の登場人物も、映画を見るあなたも、森から迫る恐ろしい人影が「悪霊」なのか「幻覚」なのかを見分けることは難しいでしょう。

そのほか基本的なストーリー展開は、オリジナル版をベースに展開していきます。スプラッター要素も少なくないです。とくにリメイク版『死霊のはらわた』は CG を一切使っていないので、生々しいスプラッター描写が見どころと言えます。

『死霊のはらわた』シリーズの時系列

  1. 死霊のはらわた(1981年)
  2. 死霊のはらわたII(1987年)
  3. キャプテン・スーパーマーケット(1992年)
  4. 死霊のはらわた(2013年)【リメイク】
  5. 死霊のはらわた リターンズ(2015年)【海外ドラマ】

1981年オリジナル版の『死霊のはらわた』シリーズも、ゾンビメイクなど(今見ると)笑ってしまいそうな部分もありますが、恐怖映画としての完成度は、実にハイクオリティです。

オリジナル・リメイク共にややショッキングなエロ描写もあり。ゾンビ映画の名作を振り返りたい人は両方とも見ておきましょう。

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huluでは観れなかったリメイク版の『死霊のはらわた(2013年)』が現在、U-NEXTにて限定配信中です。2017年3月までの配信なのでお早めにどうぞ。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『死霊のはらわた』は純粋なゾンビ映画ではないですが、そのスプラッター描写が1985年の名作『バタリアン』の誕生へとキッカケを与えることになるため、ゾンビ映画の名作を振り返る上では欠かせない作品です。とくに3作目の『キャプテン・スーパーマーケット』は、名作ゾンビ映画ランキングでも上位にあがることの多い人気作品。古いゾンビ映画の名作が見たい人におすすめです。

バタリアン・シリーズ

歴史的名作ゾンビ映画バタリアン・シリーズの登場人物

『バタリアン』のあらすじ・ストーリー

医療器具会社に就職しフレディは先輩に促されるまま、倉庫に放置されたドラム缶をひらいてゾンビを解き放ってしまった。このゾンビは人間の脳を喰らうため、フレディの友人らや会社の社員たちに次々と襲いはじめる。なんとかゾンビを火葬場で燃やすことに成功するが、煙突から出た煙が雨雲となって墓地に降り注いだ結果、今度は墓地の死体たちがゾンビ化してしまい・・・。

血と笑いを融合させたスプラッター・コメディというユニークなゾンビ映画で、たちまち大ヒットを記録しシリーズ化された名作中の名作、それが『バタリアン』です。

1968年の元祖ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ作品で、「お前、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』って見たことあるか? あの映画って実話が元なんだぜ」というセリフが登場。ロメロ監督の映画は、事実がばれないよう捏造されて作られた作品で、ゾンビは実在する。こういったバタリアンの設定は、ゾンビ映画の名作の中でも珍しい。

ゾンビメイクは今見ると爆笑ものですが、ユーモアたっぷりなストーリーも含めかなり面白いゾンビ映画です。何故か終始ヌードの女性が出てくるわ、ゾンビは脳を喰らうために襲ってくるわ・・。見どころは、ゾンビが人間をおびき寄せるために、「電話」にでて追加の救急車を呼ぶシーンです。そんなゾンビは、他のゾンビ映画でも絶対にお目にかかれません。

ちなみに脳を喰う理由は、「喰うことで一瞬だけ死の痛みが和らぐ」からだそうです。脳を食べると人間の記憶を受け継げる2013年のゾンビ映画『ウォーム・ボディーズ』とはまた違った視点で面白いですね。

『バタリアン』シリーズの時系列

  1. バタリアン(1985年)
  2. バタリアン2(1988年)
  3. バタリアン リターンズ(1993年)
  4. バタリアン4(2005年)
  5. バタリアン5(2005年)

5作品も公開されているわけですが、主要ゾンビキャラクターがシリーズを通して登場してくれる点が、他のシリーズものゾンビ映画と違うところです。コールタール漬けのゾンビ「タールマン」、上半身だけの老婆ゾンビ「オバンバ」など。

『バタリアン2』は、登場人物が違うだけで前作『バタリアン』とほぼ同じストーリー展開。3作目『バタリアン リターンズ』ではコメディ要素が減り、逆にシリアス調の恋愛要素が追加されています。『バタリアン4』と『バタリアン5』はストーリー的にもつながっていて、学園要素が追加。上のポスター画像にもあるように人気ゾンビの「タールマン」も復活します。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

もともと『バタリアン』の原作は、ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編として用意されていたものでした。その小説が映画化する過程で、パロディになりコメディ・ゾンビ映画として完成され大ヒットするわけですね。ただ「墓地から死体がよみがえりゾンビになる」というストーリーは、名作ゾンビ映画のなかでは珍しいパターンであることが分かりました。意外ですが、ベタすぎる展開なので避けられているのかもしれません。

ホワイト・ゾンビ(恐怖城)

世界初のゾンビ映画の名作ホワイトゾンビ(恐怖城)のゾンビ達

『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』のあらすじ・ストーリー

婚約したニールとマデリンは、ハイチにある自分の邸宅で結婚式をあげるようボーマンという男に提案される。だが、ボーマンはマデリンに恋をしており、2人の結婚を阻止しようとしていたのだ。ハイチでは、「ゾンビ」と呼ばれる死体が食事も休憩も取らずに働き続けさせられていて、ついにはマデリンまでゾンビにされてしまう。ニールは彼女を救出するため「マーダー・ルジャンドル」というという邪悪な魔術師の屋敷に向かうことになるのだが・・・。

『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』はゾンビを題材にした初の長編映画。ストーリーは三角関係による悲劇的な恋愛で、当時は「メロドラマ」と呼ばれていたものです。ゾンビ映画の歴史は、1932年のこの映画からスタートするわけですね。

この映画における「ゾンビ」とは、ハイチの民間信仰のブードゥー教が生みだす仮死状態の奴隷のことです。このゾンビの概念は、旅行記『The Magic Island』に記されていた都市伝説から作られたものでした。これがゾンビの起源。

この頃のゾンビは、主人に肉体労働を強制されている存在で、決して人間を襲いません。ジョージ・A・ロメロ監督がいずれ打ちだす「人肉をむさぼる」ゾンビ像とはぜんぜん違いますね。1968年に『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が公開されるまで、ゾンビの発生は「ブードゥー教の儀式」と結びついていたわけです。

ゾンビ映画のせいで世間的なブードゥー教のイメージは悪くなる一方、『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』は「170万ドル」という大ヒットを記録。こうして、元祖ゾンビ映画『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』よって「ゾンビ映画」というジャンルが誕生し、今日にいたる「数々の名作ゾンビ映画」が作り出されてきたのです。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『ホワイト・ゾンビ(恐怖城)』は白黒映画で、サイレント映画の雰囲気も残っています。この頃はまだ「ゾンビ自体」が恐怖の対象ではなく、「ゾンビにされてしまうこと」や「ゾンビ化する力を持つ魔術師」に観衆は怖がっていました。ここから「ゾンビに襲われる」という発想に飛躍させたロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、当時としてはとんでもなく斬新でクリエイティブな作品だったのでしょうね。

サンゲリア

イタリアの名作ゾンビ映画サンゲリアのゾンビ画像

『サンゲリア』のあらすじ・ストーリー

ある日、無人のヨットがニューヨーク湾内に漂流する事件が発生。調査に向かった2人の警備員のうちの1人は、突如甲板の下に現れたゾンビに襲われ殺されてしまう。このヨットのオーナーの娘アンは新聞記者のピーターとともに事件の真相を追い、マトゥール島という孤島を目指す。一方、マトゥール島ではメナード博士がゾンビの研究を続けていたが、次第にゾンビの数が膨れ上がり手がつけられなくなっていた・・・。

『サンゲリア』は、見どころ満載のゾンビ映画で、ゾンビ映画ファンの間でも「名作」として親しまれている作品です。

たとえば「サメとゾンビの水中戦」は短いシーンですが、他のゾンビ映画では見れない貴重な戦闘シーン。折れた木の先端がゆっくりと「眼球の串刺し」されるシーンも強烈です。他にも「虫が湧いたゾンビ」「引き裂かれバラバラに解体された死体」など、印象に残るシーンが多いのも見どころでしょう。

ゾンビ映画とは思えないコミカルな BGM もポイントで、怖さは控えめでまったり楽しめる作品です。1988年には『サンゲリア2』が制作されているので、名作ゾンビ映画が好きな人は探して視聴するのがいいかも。

非常に低予算で制作できるのがゾンビ映画の魅力で、『サンゲリア』に至っては「街のホームレスをゾンビ役にした」という噂まであるくらい。事実、『サンゲリア』のゾンビ役はエキストラの使いまわしで構成されてます。

他ゾンビ映画とのつながり・社会風刺

『サンゲリア』は、ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ゾンビ』を超インスパイアしています。ストーリーや設定が似ているだけではありません。本国のイタリアでは『サンゲリア』を「『ゾンビ』の続編映画」として公開したことも大問題となりました。あと『サンゲリア』のBlu-rayパッケージが 2013年のゾンビ映画『ウォーム・ボディーズ』に登場するんですが、ヒロインが「主人公ゾンビのR」と「サンゲリアのゾンビ」を見比べるシーンは笑ってしまいますね。

紹介している作品は 2016年9月時点の情報です。現在の配信状況に関する詳細は Hulu、U-NEXTの公式HPにてご確認ください。

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